9: ◯生涯学習課長 今年度、
メディアテークを核としたアート事業並びに
人材育成事業調査を実施いたしまして、新たな事業の可能性を模索していたところでございます。その中で、地域で活動する方へのヒアリングなどを行った際の意見や要望から、新たなまちの魅力をつくり出すためには、若い世代の活力を引き出し、
せんだいメディアテークの経験と実績を生かしたアート事業を館の外で実施することといたしたものでございます。
10:
◯菅原正和委員 横浜や新潟など全国各地で行われている国際的な芸術祭、ビエンナーレや
トリエンナーレと同じようなものを考えているのか、お伺いいたします。
11: ◯生涯学習課長 何十人もの
アーティストを招聘して制作あるいは展示する国際芸術祭とは、予算規模などにおきまして異なるものになるものと考えております。この事業では、数人あるいは数組の
アーティストが特定の地域に滞在し、市民と交流し、さらには制作のプロセスを共有する、あるいは制作の過程を公開して見せる事業などを想定しているものでございます。
12:
◯菅原正和委員 今のお答えの中で、
アーティストが地域に滞在とありますが、その地域に通ってくるものなのか、住民として住居を構えるのか、住居を構える際にはその手当てはどうするのか、お聞きいたします。
13: ◯生涯学習課長 具体的には、今後、招聘する
アーティストとその内容につきまして協議をしていくことになりますが、例えば、地域に交流や制作の場となります拠点を設けまして、その拠点に宿泊あるいは滞在できるスペースもつくることができればと考えているところでございます。地域によりまして可能な場合とそうでない場合もございますので、その辺は柔軟に対応してまいりたいと考えております。
なお、
アーティストが滞在するために必要となる基本的な経費は、本予算に含まれているところでございます。
14:
◯菅原正和委員 市民と交流しながら作品なりいろいろなものを仕上げ、まちの
にぎわいづくりをするという構想は、大いにいいものと感じますが、
アーティストと市民をどのような形で結びつけていくのか、具体像がいまいち見えないのであるが、先ほどの答弁で
メディアテークの実績と経験があるとありましたが、実際どんな実績があるのかお示しください。
さらに、地域にはいろいろな団体があると思うが、どんなところと連携していくのか、その辺はどう考えているのか、お聞きいたします。
15: ◯生涯学習課長
せんだいメディアテークにおきましては、地域とかかわる最先端の現代アートを継続的に取り上げまして、仙台発の本格的な展覧会として実施してまいりました。例えば、平成20年度には、卸商センターの御協力によりまして、卸町の倉庫で
アーティストが滞在制作を行いましたが、大学生などの
ボランティアが作品づくりに参加し、
メディアテークでの大きな休息という展覧会の開催につながりました。
また、市民や
アーティストとともに震災からの復興を記録いたします、3がつ11にちをわすれないためにセンターなど、
メディアテークならではの文化による震災復興の取り組みを実施してまいりました。
こういった経験を生かしながら、新年度の事業実施に当たりましては、まずは地元のNPO、大学、商店街あるいは町内会など、さまざまな団体と議論を深めながら、一緒に
プロジェクトを進めていくという形をつくってまいりたいと存じます。
16:
◯菅原正和委員 アーティストが滞在し作品を制作するということを考えているようですけれども、どこか具体的な場所は既に構想の中に入っているのか。私たちは、地下鉄東西線なり南北線なり、おり立つ楽しみをつくり出すものを選定の場としたらいいと思うが、どんな場所を予定しているのかお伺いいたします。
17: ◯生涯学習課長 ただいまございました地下鉄の東西線や、あるいは南北線の沿線も候補地と考えてございますが、そのほかにも、中心市街地、あるいは沿岸部、中山間地など、市内のさまざまな場所が想定されます。具体的には、今後、招聘いたします
アーティストと相談して決めてまいりたいと思います。
18:
◯菅原正和委員 具体的な場所を見つけ作品を制作するには時間がかかると思うが、どのような
スケジュール感で臨むつもりなのかお伺いいたします。
19: ◯生涯学習課長 事業全体のスケジュールにつきましては、3年間を一つの期間として運営を想定しておりまして、3年目にはその期間における事業実績を検証し、次の期間へつなげてまいりたいと考えております。
20:
◯菅原正和委員 3年を1期ということで、場所の選定から始まり、住民との交流形成、どんなことをやっていくのかなど、解決すべき点が多々あると思うが、その辺の見込みは大丈夫なのでしょうか。
21: ◯生涯学習課長 基本的には、まず1年目には、
アーティストとともに地域の特性あるいは魅力や課題などのリサーチを行いまして、作品の制作場所、展示方法など、検討、協議を進め、その様子なども情報発信してまいりたいと考えております。2年目につきましては本格的な制作に進みまして、3年目に成果を発表するということも考えておりますが、その制作過程も公開するなど、地域の方々とも相談しながら、一緒につくり上げていきたいと考えております。
22:
◯菅原正和委員 実験的事業のように見えるが、どのような実施効果を考えているのかお伺いいたします。
23: ◯教育長
せんだいメディアテークにおきましては、これまで国内外の
アーティストによる展覧会などを企画、実施してまいりました。この事業は、そこで培った人脈やノウハウを生かして、外に向けて発信する事業であると考えております。
この事業により、アート作品の制作や、市民との協働による
プロジェクトの過程での学び、先進的な考え方に触れることなどによりまして、まちづくりに携わる人材が育ち、アートやクリエイターなどを志す若者を初めとする方々が、仙台のこの地で活動し、活躍できるような、非常にいい機会の場となるものと考えているところでございます。
24:
◯菅原正和委員 もしよろしければ、この新たな事業に取り組む奥山市長のお考えをお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
25: ◯市長
せんだいメディアテークにつきましては、その建築が世界的にも高く評価をされてまいりました。また、今、担当のほうからも御紹介がありましたように、国内外の
アーティストによるさまざまな展覧会も行われましたし、また、震災後には、3がつ11にちをわすれないためにセンターの取り組みなど、市民の皆様と
アーティストの方々が共同してさまざまな事業に取り組んでまいったというふうに考えております。
開館から15年となりますが、この機会に、これまでの経験を生かして、さらにこの仙台の各地域において、まちの魅力をつくり出して、それを市民の皆さんと共有、発展させていくと、そうした事業としてこのたびのアート・ノード・
プロジェクトが立ち上がるものと考えておりまして、そうしたアート・ノード・
プロジェクト事業により仙台の魅力が新たに磨き上げられて発信していくことを期待しているものでございます。
26:
◯菅原正和委員 次の質問に移らせていただきます。
仙台市は市民協働のまちづくりを進めていますが、幅広い世代の人たちにまちづくりにかかわってもらうことがまず大切であるが、これからの仙台市を担う上で若い世代の参画が必要だと考えています。そうした視点から、
市民センター(拠点館)事業に関する経費のうち、
若者社会参画型学習推進事業費及び
子ども参画型社会創造支援事業費について質問いたします。
まず、これらの事業はどんなものなのか、概要をお伺いいたします。
27: ◯生涯
学習支援センター長 若者社会参画型学習推進事業は、地域社会の一員として自主的、主体的に行動できる人づくりを目指して、おおむね10代後半から30代前半の若者を対象に、
各区中央市民センターで平成22年度より実施しております。
また、
子ども参画型社会創造支援事業は、将来的に地域で活躍できる人づくりを目指して、小学校3年生から高校生を対象に、
各区中央市民センターが区内の
地区市民センター等と連携して平成23年度より実施しております。
両事業とも、自分たちで主体的に地域の課題について学習し、
ボランティアやイベントの企画実施などの活動を行っております。
28:
◯菅原正和委員 先日、私も
せんだいメディアテークで開催された
若者社会参画型学習推進事業の報告会を見学する機会がありました。地元若林区の取り組みに対してはある程度理解はしておりましたが、若林区の小中学生を対象とした若林区のまちづくりを一緒に考えていこうということで、夢プラン若林という団体で私は市民活動をしておりました。活動に際し
市民センターの協力があり、活動がスムーズに進んでいたことを記憶しております。
まず、報告を聞いていて、携わっている職員の意欲の高さがかいま見えました。
社会教育主事という肩書のもと、職員の皆様に、教える、一緒に学ぶ、つくり上げるが基本にあるように感じました。報告を聞いてみると、事業に参加した若者たちの発表から、地域に寄せる思いや活動への意欲などが伝わってきました。
若者、子どもの事業とも実施して数年ということだが、これまでどんな成果があったのかを教えていただけませんでしょうか。
29: ◯生涯
学習支援センター長 若者たちは、みずからイベントを企画、実施したり他のイベントを手伝う中で、地域や他の団体とかかわる機会がふえ、
コミュニケーション力や協調性などが少しずつ身につき、自己有用感や充実感を味わうことで、地域への関心を持つようになっております。
子ども参画型事業でも、自分たちの地域のよさをもっと知りたいという意欲が生まれ、さまざまな活動に積極的にかかわることができるようになったことが成果と考えています。また、子供たちが地域に出て活動することで、地域の方々が子供たちの活動を知り、それを支援する動きが地域づくりにつながっていくという事例も見られるところです。
30:
◯菅原正和委員 市民センターの中で、地域にかかわる活動や
ボランティア活動といえば、従来から取り組まれている
ジュニアリーダーという事業があると思いますけれども、
ジュニアリーダーとこれらの事業がどう結びついているのか、あるいはどんな関係なのか、お伺いいたします。
31: ◯生涯
学習支援センター長 ジュニアリーダーは、主に地域の子供会活動の活性化を目的に活動している中学生、
高校生ボランティアですが、近年はさまざまな
ボランティア活動にも積極的に取り組んでいます。自分自身の成長や地域の活性化に役立つ活動であるという点で
子ども参画型事業と通じるところがあり、実際に
ジュニアリーダーがこの事業に協力している例もございます。
今後は、
子ども参画型事業の受講者が
ジュニアリーダーとなって
ボランティア活動を続け、さらには
若者参画型事業へ進むなど、切れ目のない
人材育成事業とすることも意識して取り組んでまいりたいと存じます。
32:
◯菅原正和委員 子ども参画型事業から
ジュニアリーダーへ、さらに
若者参画型事業にというように流れをつくり出し、かかわる子供がステップアップしていける仕組みは大いに期待するところです。まちづくりにかかわる土壌を形成する人材育成は短期間ではできないし、適切な支援、アドバイスがなければ、子供にとっては途中意欲を失ってしまうことがあります。
市民センターが持ち合わせているノウハウを十分活用しながら、長期的な視点で支援をしていただくことが、まちづくり、ひいては
市民協働事業の推進にもなります。しかし、これまでの事業を進めてきて、課題や問題点も出ていると思うが、課題と問題点があれば、考えている点をお聞かせください。
33: ◯生涯
学習支援センター長 両事業とも年間を通じた活動であり、時間が多くとられることから、受講者が少ないという課題があり、受講生確保のため、事業内容をまとめたリーフレットを小中学校に配布したり、各大学で事業紹介を行い、参加を呼びかけているところです。特に、
若者参画型事業につきましては、社会人の受講者が少ないため、地域に根づいた事業展開、継続が困難となっております。今後は、社会人の参加を視野に入れ、企業等との連携も検討していきたいと考えております。
また、事業内容によっては、受講者が授業に参加するだけにとどまり、主体的に企画、運営にまでかかわる参画にまで至っていないというケースもあり、受講者の活動を参画にまで高めるための継続的な事業展開や働きかけの手法の検討が必要と考えているところでございます。
34:
◯菅原正和委員 大人でも、いきなり参画は難しいと思います。子供のうちからいろいろな体験をしながら、経験を積んで、土壌づくりをすることで、参画できるようになると思います。子供たちや若者が学んだことを実践する場やまちづくりを体験する場が必要だと思うが、仙台市として、
若者参画型事業、
子ども参画型事業が市民協働のまちづくりの
担い手づくりのベースになっていくような事業になっていくことを期待するものですが、平成28年度はどのような展開を考えているのかお伺いいたします。
35: ◯教育長 平成28年度は、これまでの成果や課題をまとめ、今後の事業のあり方、進め方を、平成29年度以降の効果的な事業実施に向け、検討しながら実施していくこととしております。
両事業は、受講者自身の自分づくりを支援するだけでなく、今後、人口減少社会を迎える本市において、将来的に地域社会で主体的に活躍できる人づくりを目指すものでございます。事業実施に当たりましては、受講者の成長段階を見ながら、地域の中でさまざまな体験を積むことが重要だと認識しておりまして、関係部局で実施している
各種まちづくり事業や
市民協働事業等との連携も含めて、事業をさらに進めてまいりたいと存じます。
〔渡辺博委員、質疑席に着席〕
36:
◯田村稔委員 いよいよ平成30年度から小学校で、そして平成31年度から中学校で、道徳が教科として取り入れられることになりました。私はこのことに大変関心を持っておりまして、以前、一般質問でも教育長に、そのことについての教育長の思いをお聞かせいただきました。大変力強い御返答をいただいたわけでありますけれども、きょうは道徳教育の内容についてお伺いしてまいりたいと思っております。
まず、学校の教科として取り組む道徳というのは何なんですか。そして、それは何を目的に、どのような子供を育てようとしているのかを最初にお伺いいたします。
37:
◯教育指導課長 道徳の時間が教科として新たに位置づけられましたのは、道徳教育のかなめとしての道徳の時間の役割を明確にした上で、児童生徒の道徳性を養うために、適切な教材を用いて確実に指導を行うためでございます。このことから検定教科書を用いることになり、市内の学校で同一の教科書を用いて授業が行われることになります。また、評価につきましても、間もなく国からその具体について示されることになります。あわせまして、考える道徳、議論する道徳への転換など、授業の質的向上を図ることが示されております。
どのような子供たちを育てるかということでございますが、道徳教育は、人としてよりよく生きる上で大切なものとは何か、自分はどのように生きるべきかなどについて考えを深め、みずからの生き方を学んでいくということの教育活動でございます。このような子供を育てるということが目的でございます。
38:
◯田村稔委員 今までも、教科ではなかったけれども、道徳という時間はありましたね。その中では何をしてきたんですか。
39:
◯教育指導課長 これまでも道徳の時間で子供たちに対して指導をしてまいりましたが、このたび文部科学省から、本市としての課題も同様ではございますが、全国的な傾向として、読み物の登場人物の心情の理解のみにとどまってしまい、自分ならどのように行動、実践するかを考える指導になっていないということ、発達の段階などを十分に踏まえず、児童生徒に望ましいと思われる、わかり切ったことを言わせたり書かせたりと、そういった事例が指摘されておりましたことから、今回の教科化の改定に動いたものでございます。
40:
◯田村稔委員 私は、先日、
教育センターにお邪魔いたしまして、今やっている道徳の時間で使っている教材を拝見して、また、それについて御説明をいただきました。その内容は本当にすばらしい、
聖人君子製造マシンみたいな本当にすばらしい内容で、内容には文句はないんだけれども、規則正しくてまじめな生活をしよう、そういうような、その教材にいっぱい書いてあるんですけれども、そういう道徳で、私が感じたのは、社会というレール、それにぽんとのせれば、あとはその人生、そのとおり進めというような感じで、それで人生を終える、そうすれば害もない人間だというような感じで、そういう人間をつくるようなものにしか思えなかった、私はね。そういう人生を私は悪いとは言わないけれども、そういう人間ばかりつくって今さらどうするのかしらというふうに私は非常に感じました。まるで金太郎あめみたいに、どこを切っても同じ顔したのが出てくるというのではね。それがいいのかしらというふうに、私は非常に疑問を感じました。
これは私の考えですけれども、子供に道徳教育を徹底しなければ子供がおかしくなってしまうなんて考えるのは、大人の錯覚ではないかと思うわけです。古臭い道徳を子供に押しつけても、世の中はそんなに変わらないんじゃないかしらというふうに思っております。大事なことは、さっき課長言っていたけれども、自分の頭で考えて、自分の心で判断できる、そういう子供を育てることが大切だと思いますけれども、それができるのかしら。それをお伺いします。
41:
◯教育局次長 今、質疑ございましたように、これまでの道徳といいますと、読み物の登場人物の心情理解というものにとどまっていたと。そして、自分ならどのように行動、実践するかということを考える指導について、やや足りなかったかなということもございます。
ただ、道徳教育におきましては、特定の価値観を押しつけたり、それから主体性を持たず、言われるままに行動するよう指導したりするということは、今回の教科化の改正における道徳教育の目指す方向とは異なるものでございます。
教育委員会といたしましても、児童生徒一人一人がしっかりと課題に向き合い、互いの存在を認め尊重し、意見を交流することや、体験的な学習を通してみずから考えを深めていけるようにするなど、児童生徒の多様な価値観を引き出すよう、深く考え議論する授業をこれから一層重視して道徳教育の充実を図ってまいりたいと考えているところです。
42:
◯田村稔委員 今、次長から大変立派な答弁をいただきましたけれども、ただ、道徳というのは本当に調べれば調べるほど非常に難しい教科だなというふうな、私はそういう実感を持っていました。道徳というのは将来の理想的な国民を育成するための道具ではないと、そういうふうに思います。まずは子供のためのものでなくてはならない。子供はこうあらねばならないという形があって、その形に無理やり押し込めるようなことをしてはいけないというふうに感じておりまして、ルールとか法則は先にあるものではなくて、後からついてくるものではないでしょうか。まず、道徳は自分でつくるものであるというふうに思いますが、いかがでしょうか。
43: ◯教育長 今、委員いろいろお話しいただきましたように、道徳という観念が時代とともに確実に変化してきているのかなというふうに感じます。教育基本法においても豊かな情操と道徳心を培うと、これはもう大切な、まず基本的なことでございます。そういう中で、今、教科化に向けて、学校において新たな道徳という形でどういう方向を目指していくのかということでございますが、やはり子供たちが他者を尊重しながら建設的な議論を行うと。そして、自分が考えを深めていく道徳教育、これが個性の尊重にもつながり、また、その個性を伸ばしていくことにもなるかと存じます。
大変、今、社会自体が厳しい社会でございます。いろいろなものが、変化が余りにも速過ぎて、なかなか大人も子供もついていけなくなっていく面もございます。そういう中でやはり生き抜いていかなければならない。これからの子供たちはさらにそれを乗り越えていかなければならないという命題がございます。そういう中で、仙台の子供たちが生き抜く力の根本を支える道徳教育、これを各学校がしっかりと取り組んでいくということが大切でございますので、教育委員会といたしましても、道徳教育をさらに推進してまいりたいと考えている所存でございます。
44:
◯田村稔委員 教育センターで教材を拝見したときに、ファーブル昆虫記を書いたファーブルのことが書いてありましたけれども、また、道徳の教材には、身の回りを清潔にきれいにしようと。机であるとか身の回りを。ファーブルなんていうのは、多分、机あけたら昆虫の死骸だらけだったと思うよ。でも、そういう中で非常に昆虫に興味を持って、あれだけの学者になったと思うんだけれどもね。やっぱりそういう子供の感性とか個性とかを非常に大事にしていかなければいけないと思うし、また、この答弁席に座っている方々も本当に立派な方々だけれども、子供のころを思い返せば心が痛くなるんじゃないかと思うんだけれどもね。道徳って、世の中のためになるすごい発明や発見をした人とか、それから今は尊敬されている人、人格者と言われている人たちの、子供たちがどういう生活をしてきたかというのを、実際にそういうのを学ぶというのは非常に大事なことじゃないかなと。生きた教材みたいな形で学ぶのもいいことじゃないかなと。そういうことをすべきだと思うし。
この間の教材を見ると本当にすばらしい。私は教材には、これはもう本当に、はあっと言う以外ないんだけれども、それは働きアリみたいなのをつくるには、金太郎あめじゃないけれども、それはいいけれども、これからの日本の社会に必要な人材の育成には、果たしてあの教材でなるのかなというと、非常に不安に思っておりました。
文科省も含めて、学校で教える道徳というのが、大人の中でコンセンサスがとれていないんじゃないかしら。どういうような授業をしようとか、どういう教材を使うとか、そういうコンセンサスがとれていないんじゃないかなと。そういうまま、今度、来年、1年前に教科書ができるわけだ。その教科書を使って授業をするようになるんだけれども、そんなことで間に合うのか、非常に不安を今の段階では持っておりますし、何とかこの国の将来のために役立つ子供を、働きアリじゃない子供をつくり出してほしいなと考えておりました。
あの教材、すばらしいのね。気持ちのよい毎日をとか、節度ある生活を、責任を自覚し集団生活の向上とか、大変すばらしいことが書いてある。教材は本当にすばらしいけれども、そのコンセンサスができていないというのが、教師とか保護者にとって都合のいい子供をつくろうとしているのではないかと思えてならない。子供の個性とかを伸ばすような道徳教育が行われるかどうか非常に不安を感じるんですけれども。
同時に、あともう一つ。今度、道徳が教科となるということは、成績をつけることになるんですよね。これをどのように評価して、どういう表記になるのか、非常にこれも興味を持っておりました。課長は小学校教諭ですよね。一つ具体的に質問いたしますけれども、小学校の理科の授業の中で、チョウが卵を産んで、卵から青虫になって、さなぎになって、それから、さなぎの背中が割れて羽化して、そうすると今度、観察箱からチョウを外に出すよね。そういう授業をしますよね。そのときに、観察ケースからチョウを外に出すときに気をつけなければいけないことというのはどういうことなんでしょうか。
45:
◯教育指導課長 理科の授業ということであれば、外に出すときには、せっかく子供たちが卵から育てたものですから、無事に成長して空に飛んでいってもらいたいという気持ちであれば、外に出すときに、例えばそのチョウを押さえるときに強く押さえ過ぎないようにとか、そういったことが必要かなというところでございます。
46:
◯田村稔委員 私も小学校のときに授業で、そのとき理科の先生に、担任の先生でしたけれども、チョウの羽を覆っている粉ね、あれ、調べたら鱗粉っていうんですけれども、その鱗粉を手でさわらないように気をつけなさいと。これはチョウチョウにとって本当に大切なことなので、これをさわってはいけないというのが、理科の授業では正解だったんですね、出すときにね。だけれども、ここで課長、もう一度聞くんだけれども、ある生徒はその鱗粉をさわっちゃいけないと。これは正解でしょう。それで、もう一人の生徒が、今、課長ちょっと言われたけれども、これから大空に出ていくんだから、頑張るようにというお別れを言うという答えをしたときには、理科の授業ではどういう成績をつけますか。
47:
◯教育指導課長 それぞれ目標というものがございますので、それに照らし合わせる形にはなりますが、今、お話にありました、元気でねというような子供に対しては、その子供は、その動物の命に対してほかの子供たち以上に命を大切にしているというふうなことが言えると思います。小学校の教員であれば、その子に対しては、その命の大切さ、理科の授業における命の大切さということについて評価はできると思います。
48:
◯田村稔委員 理科の授業でやれば、鱗粉にさわってはいけないというのが多分正解で、点数でいえば100点かもしれない。さようならを言うというのは、理科の授業では正解ではないと思う。だけれども、私が担任だったら、この子に100点をつけたくなる。それが道徳教育かなというふうに思うところもあって、非常に採点、評価が難しいよね。
では、もう一つ例題。あるおじいさんがいて、近所に住む孫に会うのが唯一の楽しみで、歩いて5分ぐらいなんだけれども、毎日、孫の顔を見て孫と話をするのが楽しみで、それをずっと続けていました。優しい孫で、おじいさん、よくきょうも来てくれましたと。でも、おじいさん、まだまだ天気が悪い日もあるし寒い日もあるから、おじいさんが来るんじゃなくて僕が行ってあげるよと。大変優しい孫です。教材には、年寄りを大切にしよう、生き物を大切にしようと出ているんだけれども、年寄りを大切にする大変優しい孫で、そうかということで、このおじいさんも、それじゃあおまえ来てくれと。うれしいなあというので、今度、孫が、おじいさんどうだったとか言って、毎日行ってくれるようになった。大変すばらしい孫ですよね。もう一人、別の家庭があって、同じようにおじいさんが毎日その孫のところに行ったんだけれども、A君のところでは孫がおじいさん大変だからというので来てくれるようになったんだと。だからおまえも来てくれと言ったら、俺は習い事で忙しいから、じいさん、用があるならあなた来てと、そういうふうに言ったのね。結果、優しい孫のAさんのところは、おじいさんは毎日布団に横になって孫の来るのを待つようになった。結果、このおじいさんは寝たきりになった。B君のところは、厳しい孫だったんだけれども、毎日通ったので今でも元気にはね回っている。これは道徳的にはどういう評価になるのか。
49:
◯教育指導課長 1人目のお子さんですが、そのお子さんに関しては、全く道徳的にはすばらしい価値観を持って、それを実践に移している子供だなというふうに評価できると思います。2人目のお子さんにつきましては、今のお話だけでは評価できない部分がございます。やっぱり子供の内面の評価というのは、その子供と毎日接する中で、その子が一体どういう考えを持っていて、どういう状況にある子供なのか、そういったことを見て、その上でその子の行動について道徳の場合は評価するということになりますので、今のお話ではちょっとどうかなというところがございますが、その子なりに、きっともしかして何かほかの考えがあってそういう行動をとっただろうということも考えられますので、一概にその子が道徳的におかしいという評価はつけられないかなと存じます。
50:
◯田村稔委員 今のお話のとおり、他の教科と違って、道徳というのは正解というのがないんじゃないかと思うんですね。だから非常に難しい。そういう中で成績をつけるわけだから、どういう成績のつけ方をするんですか。5段階とか数字ではないと思うんだけれども、どういう評価でどういう表記をするのか。
51:
◯教育指導課長 道徳の評価のあり方につきましては、国の有識者会議での検討を踏まえまして、今後、評価についての考え方、事例などを取りまとめ、通知や教師用指導資料などの形で示されることと伺っております。
現在のところの情報によりますと、評価のあり方につきましては、ほかの児童生徒と比較して優劣を決めるものではなく、その児童生徒がいかに成長したか、授業や日常の記録を積み重ね励ますもので、数値による評価ではなく、記述式で評価するということが示されております。
52:
◯田村稔委員 記述式という御答弁でしたけれども、本当に教育の現場で記述でそれができるのかどうか、本当に私も不安に思っていますし、ただ、幸い導入されるまでにはまだ時間がありますので、相当、教育の現場ではシミュレーションというか、教員のほうでこれは相当な鍛錬をしていかなければいかんというふうにも思いますし、ぜひとも本当に子供の将来のためになる道徳教育をしていただくように、導入までの間に最大限の御準備をしていただくことを要望して終わります。
〔やしろ美香委員、質疑席に着席〕
53: ◯
高橋卓誠委員 まず初めに、先日、先輩議員から白老町との交流について質疑が行われました。私は、片平丁小学校出身で、当時、学校の代表として白老小学校に派遣していただき、白老町の方々と交流させていただきました。とても懐かしく、そして今いかに姉妹都市との交流がとうといものであり、仙台市民にとって歴史的にも深く、古くからおつき合いをしている白老町との交流の大切さに気づかされた一人であります。ぜひ、現在継続している片平丁小学校に加え、上杉山中学校との交流も前向きに検討していただきたいと強く願うものであります。
それでは、質問に移らせていただきます。小中学校の指導困難学級についてです。
先日、ある市内の小学校に訪問させていただき、校長先生にお話を伺う機会がございました。その学校では、指導困難学級など、担任の先生一人では対応できない状況があるとお聞きしました。教育委員会では仙台市独自の市費30時間非常勤講師の制度を設けているということですが、その制度の配置判断基準はどのような条件があるのでしょうか。
54: ◯教職員課長 学級が発達障害や指導上特段の課題を有する児童生徒の在籍によりまして担任一人での指導が困難な状態となり、校長が実態を把握して、校内における支援など必要な対策を講じても成果が上がらない場合に、校長から教育委員会に配置の申請を行うことになります。その後、教育委員会におきまして、校長からの聞き取りや学校訪問等を通して困難な状況を直接把握した上で、必要と判断した場合に配置することとしております。
55: ◯
高橋卓誠委員 現在の配置状況をお示しください。
56: ◯教職員課長 現在の配置状況でございますが、小学校22校で24名、中学校16校で19名、中等教育学校へ1名、特別支援学校へ2名、合計46名を配置しておるところでございます。
57: ◯
高橋卓誠委員 現在配置している学校以外で、配置申請の要望はどれくらいあるのでしょうか。
58: ◯教職員課長 現在講師を配置している学校以外では、今年度、小学校17校、中学校6校から配置の申請がございました。これらにつきましては、校内での対応が可能であると判断したものや、配置の必要性は認めつつも講師の確保ができなかったということがございます。
59: ◯
高橋卓誠委員 講師の募集をかけても来ないとか、そういう人的問題もあると思いますが、家庭環境の違いなどから生ずる学級の問題は、担任の先生の負担増のみにあらず、将来の日本を支えるであろう学生たちにかかわる問題です。講師の募集をしてもなかなか人が集まらないなど、人材不足の問題もお聞きしておりますが、ぜひ今後も制度の継続をお願いしたいと思います。
次に、社会教育施設の休館日についてお尋ねします。
本市には、社会教育施設、文化センター、スポーツ施設など数多くの市民利用施設があり、多くの市民の方や団体が利用しております。そうした施設を市民にとって利用しやすい状況にするということも、市民協働のまちづくりを進め、生涯学習活動を推進していく上からも大変重要と考えます。
そこで、幾つかお伺いいたします。初めに、本市には博物館や図書館、科学館、
市民センターなどの各種社会教育施設が設置されておりますが、これらの施設の休館日はどのようになっていますでしょうか。
60: ◯生涯学習課長 ただいま御質問のありました施設の休館日につきましては、いずれも毎週月曜日、それから休日の翌日、年末年始の期間を基本としております。また、科学館と図書館につきましては、そのほかに主に施設の点検などのための休館日を第4木曜日に定めておるところでございます。
61: ◯
高橋卓誠委員 市民局管轄の仙台市体育館などスポーツ施設や区の文化センターや戦災復興記念館、エル・パーク仙台などの会議室、ホール施設の休館日は、基本的に年末年始や今御説明にありました点検日を除き、年中開館している施設となっておりますが、教育局管轄の施設の天文台、大倉ふるさとセンターを除く施設が毎週月曜日に集中しています。先日、
メディアテークに行ったところ、ほかのフロアは開館しているのにもかかわらず、市民図書館の部分だけ休館となっておりました。こういった状況について、市民の皆様からの御意見や苦情を受けたことはなかったのでしょうか。
62: ◯生涯学習課長 まず、ただいま御説明のありました
メディアテークにつきましてですが、
メディアテーク内の市民図書館につきましては、ほかの図書館と同様に月曜日が休館日でございますが、
せんだいメディアテークのほかのフロアにつきましては、ホール系の施設と同様に、市民活動などで利用されるギャラリーあるいはスタジオシアターなどの施設がありますことから、月曜も開館しているところでございます。
ただいま御質問ありました市民図書館の休館日につきましては、図書館の窓口やアンケートなどで、開館日の増加を望む声なども若干いただいているところでございます。
63: ◯
高橋卓誠委員 このような一つの施設の中で一部の施設が休館であるという状況は、ただいま申し上げました
メディアテークの中の市民図書館や太白区文化センターに併設する中央
市民センターや太白図書館のように、社会教育施設が多いようです。一市民目線で考えますと、このような不便な状況を改善していただきたいところでありますが、いかがでしょうか、お伺いします。
64: ◯生涯学習課長 複合施設でもあります
メディアテークや、あるいは区文化センターにおきまして、図書館を月曜日も開館し、開館日を合わせることにつきましては、人員の配置や図書館におけます資料の物流に係る経費の増加など、解決すべき点や課題が数多くあるところでございます。したがいまして、現時点では困難であるというふうに考えているところでございます。
65: ◯高橋卓誠委員 休館日についてですが、今日の社会状況を見ますと、土曜日や日曜日を中心にさまざまなイベントや行事が行われ、それがまちの活性化や経済的な波及効果も生み出している状況にあると思います。当然のことながら、そうした仕事を行っている市民の方々は、土日は出勤日で平日に休みをとっているというわけです。よく理容美容業界が月曜日休業と言われております。そのほかの多くのサービス業でも月曜日がお休みという方も多いと思います。そうしたことを考えますと、特に毎週月曜日が一律で休館日であることが多い社会教育施設について、市民の皆様の御意見やニーズを把握されたことはありますでしょうか。また、その上で、月曜日休館ということを変更しようと検討されたことはあるのでしょうか。
66: ◯生涯学習課長 平成24年11月に教育委員会が行いました仙台市民の生涯学習に関する調査では、生涯学習施設の休館日に関しまして、月曜のままでよいが49.0%、変えたほうがよいが15.8%の結果でございました。調査結果からは、月曜の休館日を変更することの市民ニーズは必ずしも多いものではないということでございました。
休館日の変更につきましては、一部の施設の休館日を別の曜日に変更して休館日を分散させることにつきまして、社会教育委員の会議からの提言で触れられているとともに、アンケート等におきましても同様の御意見をいただきましたことから、検討を行ってまいりましたが、観光施設としての側面も持つ天文台の休館日につきましては、平成26年度から月曜日を水曜日に変更したところでございます。
67: ◯高橋卓誠委員 その天文台についてですが、毎週水曜日に変更されたということですが、その変更後の利用状況についてはどのように把握されておりますでしょうか。
68: ◯生涯学習課長 天文台につきましては、先ほど申し上げました平成26年度に休館日を変更いたしましたが、その際、入館者数の比較を行っております。平成26年度の入館者数が前年度比では約9,700人の増加でございました。このうち、平成25年度における変更前の水曜日の入館者数が約1万7900人であったのに対しまして、平成26年度の変更後における月曜日の入館者数は約2万4300人でありまして、約6,400人の増加となりました。このことから、休館日の変更が一定程度の入館者数増につながっているものと考えているところでございます。
69: ◯高橋卓誠委員 先ほどのアンケートについてなんですけれども、アンケートの聞いた方の人数をお示しください。
70: ◯生涯学習課長 当時の抽出いたしました有効の回収数につきましては、898件という数字でございます。
71: ◯高橋卓誠委員 898分の49%と15%ですから、もうちょっと幅広くアンケートをとっていただきたいと思います。利用する市民の方々から見れば、休館日を減らしてもらうことで、仕事が毎週月曜日休みの方にもできるだけ多く利用してもらうことが可能だと思います。そこで、例えば図書館についてですが、市内全ての図書館のうち、半分は月曜日を休館に、残りの半分は火曜日を休館にといったような形で運営していくことはできないのでしょうか。もしくは、システム上難しいということであれば、休館日を毎週月曜日ではなく、隔週の月曜日を休館にするということはできないのでしょうか。
72: ◯市民図書館長 図書館は、地区館5館と分館2館で運営しておりますが、休館日を月曜日と火曜日に仮に割り振ることになった場合、委員もおっしゃったようにオンラインシステムの中心であるサーバーを設置している市民図書館におきましては、休館日であっても他館が開館しておりますために、ホスト管理業務が必要となるところでございます。また、資料の配送業務を月曜日にも行うことになり、物流に係る経費が増加することなど、課題があるものと考えております。
現在、図書館の年間開館日は約290日となっており、これを隔週の月曜日、1週置きにあけることになりますと、約25日の増加となり、これは開館日がふえることであり、市民サービスの向上に資するものと考えますが、貸し出しサービスを行う職員を初め、調査相談の窓口を担当する経験のある者、また、書庫の図書を出納するアルバイトなど人員体制の確保や、人件費を含めた経費の増加などの課題がございます。
今後、休館日のあり方につきましては、各館の利用者層や利用状況を精査しながら、慎重に検討をしてまいりたいと存じます。
73: ◯
高橋卓誠委員 ぜひ、アンケートをとるなど、前向きに御検討いただきたいと思います。ただいま社会教育施設の休館日についてお伺いしてまいりましたが、以前から月曜日が休館日だからこの先もそのままでいいというわけでは決してないと思っております。常に市民の目線に立って、市民の皆様にとって利用しやすい施設、愛される施設であるよう、その運営のあり方について考え、改善していくことが重要であると思います。この施設の休館日ということの課題に関して、教育長の御所見を伺います。
74: ◯教育長 市民が利用しやすい施設を目指し、利用者の声に応えるため、施設の運営のあり方を検討することは、大切なことであると認識しております。今、御指摘がありましたように、改めてアンケート調査をまた幅広くとるというのも手法の一つかと存じます。休館日をほかの曜日に変更することや開館日をふやすことは、人件費を含めた経費の増加などさまざまな課題が現実ございます。今後とも市民がより利用しやすい施設を目指すため、改めて検討してまいりたいと存じます。
75: ◯
高橋卓誠委員 最後に、教育の倫理的観点から一つ伺わせていただきます。
台湾南部で発生した大地震を受け、本市では募金箱を設置し、市民の皆様に御支援をお願いしてきたところでございますが、現時点で義援金は幾ら集まりましたでしょうか。
76: ◯健康福祉局長 本市では、2月8日から本庁舎及び各区役所、社会福祉協議会など市内13カ所に募金箱を設置し、市民の皆様に支援をお願いするとともに、市民団体による募金もお寄せいただきまして、現時点でおよそ500万円となってございます。
77: ◯
高橋卓誠委員 本市が5年前の東日本大震災時に台南市からいただいた義援金は、約1億3700万円。本市に台南市長みずから直接足を運び、お届けいただきました。本市の集めた義援金はどのようにして台湾の皆様へ届くのでしょうか。あれだけの支援を受けたのですから、市長みずからが台湾に赴くことが、仙台市民、日本人としてやるべきことであり、そういった姿を示すことで仙台市に住む子供たちの思いやりの心が育まれるのではないでしょうか。市長の御所見を伺います。
78: ◯市長 台南市へのお見舞金に関しましては、2月6日の地震の発生直後から、台南市の皆様への御恩返しと、そうした気持ちも胸に、学生の皆さんや、また市民の交流団体の方々など多くの皆さんが街頭募金の活動をしてくださいましたり、また、市内各所での募金箱の設置などが行われて、本当に、今、健康福祉局長から御報告申し上げましたとおり、多くの皆様が御芳志をお寄せくださったということ、大変ありがたく思っているところでございます。
今回、私自身が台南市へお伺いしたいと、こういう気持ちは私も強くあるわけではございますけれども、集中復興期間を終える年度末でありますこともあり、なかなか日程の調整がかなわないという難しい状況でございます。しかしながら、一方、お見舞いにつきましては一日も早くお届けして感謝の気持ちをしっかりとお伝え申し上げたいということでもありますので、国際交流を担当いたします伊藤副市長が訪問を申し上げるという方向で、ただいま最終的な調整を台南市と行っているところでございます。
79: ◯
高橋卓誠委員 一日でも早く持参するということはもちろん大事だと思うんですけれども、まず少な過ぎるということが、1億3700万と500万ですから大分違うのかなというところもありますが、その辺は市長もいろいろ市内のほうに、企業等にお話しいただいて、もっと御協力をいただくべきだと思うのが一つと、あとは、台南市長みずから3月11日の震災後、4月22日、約40日間で直接来られたということで、その感謝の心をお返しするには、やはり市長みずからがお伺いするべきだと思いますが、いかがでしょうか。
80: ◯市長 台南市民の皆様に、私自身、直接このたびの東日本大震災における御支援に感謝の気持ち、これを108万市民を代表して申し上げたいと。これは、発災直後から変わらずこの5年間持っている私の思いでございます。それにつきましては、両市の友好の節目の年であります年度の中で、その機会を調整してまいりたいと考えているわけではございますけれども、しかしながら、このたびの台南市の地震へのお見舞いにつきましては、やはり時期的なものもございますので、この3月中にということで、伊藤副市長のほうで日程を調整しているということでございます。
81: ◯
高橋卓誠委員 ほかの問題であれば尊重するところではあるんですけれども、この問題に関しては、日本として、国としてもそういう信用度の問題なので、これは外交上の問題でもあり、特に、先ほども申しましたけれども姉妹都市でもありますので、やはり向こうの方々からすれば、市長みずからがやっぱり行くべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
82: ◯市長 ただいま御答弁申し上げたとおりでございます。
83: ◯
高橋卓誠委員 今、このお忙しい時期ですけれども、仙台市民の方々、その募金された方々も、もちろん当時の台湾の方々への感謝の心を持って一人一人募金されていると思うんです。私たちもそうですけれども。その仙台市のリーダーとして、この期間に行くことは誰も文句を言わないと思うんですね。なので、その辺前向きに考えていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
84: ◯市長 御支援に対する感謝の気持ちは、108万の市民の皆様がそれぞれの胸に大変熱く持っていらっしゃると思います。しかしながら、私にもさまざまな公務があります中で、それらを総合的に勘案しながら、時期を選んで私としての感謝の気持ちを伝える機会を得たいと、そのように思っております。
85: ◯渡辺博委員 宮城野区選出の渡辺博でございます。私からも、最後に市長の御答弁の中にありました、公務お忙しい時期、これはいたし方ないところもあると思います。募金の多寡は出てきましたけれども、仙台市民の気持ちを、お見舞いを心から申し上げる、こういう気持ちを早い時期にお伝えする、そのことをお願いしたいと思います。
私は、地方教育行政法の改正に関して何点か伺いたいと思います。
本会議でもお尋ねいたしましたけれども、まず、改めてお伺いいたしますけれども、今現在施行されております改正地方教育行政法がなぜ改正されたのか、その経緯、そしてその目指すところをどういう御認識をお持ちになって執行されておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
86: ◯教育長 地方教育行政法の改正は、昨年4月に施行されたところでございます。これは、かねてより議論のあった教育委員会内部における委員長と教育長との関係なども含め、法改正により整理を図ろうとするものであったと認識しております。
このたびの改正では、教育委員長と教育長を一本化した新教育長を教育委員会の代表と位置づけたほか、首長と教育委員会とが協議、調整を図る場として総合教育会議を必置のものとし、首長が策定する教育施策の大綱を総合教育会議において協議することとするなどの改正が図られました。これらは、教育行政の責任体制の明確化を図り、教育長の指揮のもと、迅速な対応を図るようにするとともに、首長と教育委員会との連携をさらに深めることにより、教育行政の着実な推進を確保しようとするものと受けとめているところでございます。
87: ◯渡辺博委員 教育委員会というと、今までは狭義の意味の教育委員会、例えば非常勤の教育委員で構成される教育委員会というのと、事務職員が多数、仙台の場合はおりますけれども、そういういわゆる仙台市で言う教育局の教育委員会と、ごっちゃになっているところがございました。それで責任の所在がなかなか明確でない嫌いがあったということは、新教育長の御認識のとおりで、それを一つにしようということだったわけですけれども、しかしながら、狭義の意味の教育委員会に責任が全部負わされてしまって、事務局は一体何をしていたんだという、そういう点が、議論があったのかもしれませんけれども、私には届かない。その狭義の意味の教育委員会をきちんとサポートしていくのが事務局たる広義の教育委員会ではなかったか。その広義の教育委員会が、制度が変わった中で旧態依然たるものでは、制度がまた死んでしまうと、そんなふうに私は思うんですけれども、そういう視点でお聞かせいただきたいと思いますけれども、改正地方教育行政法を受けて、本市の教育局はどのような対応をされてこられたのか、してこられた点についてお聞かせいただきたいと思います。
88: ◯教育長 私は、昨年4月に市長より新教育長として任命されて以降、本市教育行政の責任者として、さまざまな課題につきまして、事務局を指揮しながら対応を図ってまいりました。確かに、いじめの問題や職員のコンプライアンスの問題など、職員にもこれまでの意識の変革を求めながら事に当たるべき対応課題が多いことも痛感している次第でございます。
新年度におきまして、最重要課題であるいじめ対策を推進するため体制の強化を図りたいと考えておりますほか、平成29年度の県費負担教職員に係る権限移譲を見据えまして、組織改正も予定しておるところでございます。必要な組織上の対応も図りながら、人材育成のさらなる強化に努めてまいりたいと考えているところでございます。今後とも、この法改正の趣旨を体し、本市教育行政上の諸課題を支える事務局体制の強化、これに努めてまいりたいと存じます。
89: ◯渡辺博委員 優秀な人材がたくさん教育局にはいらっしゃると思います。もちろん仙台市の行政もそうですけれども、組織がきちんと機能しなければ、せっかくの人材も死んでしまう、生かされないということに私はなると思います。組織と人材が両方相まって、そして成果が出ていくんだと、児童生徒のための最高の環境を提供できるんだというふうに思いますけれども、それで、また伺いますけれども、人材の獲得育成についてどのような取り組みをされておられますか。
あわせてお聞きしますけれども、今現在、行政教育職員、ここにもたくさんいらっしゃいます、一生懸命やっておられる方が多いんですけれども、そういう方たちが選抜される、どのような選考をされておられるのか、お聞かせください。
90: ◯教育長 教育行政に携わる人材の確保、これは本当に非常に大切なことでございます。教育委員会事務局職員につきましては、まず、教育行政に対する意欲や職員の適性のほか、これまでの経験や実績などを踏まえまして、教育行政に熱意を持った人材を登用してきているところでございます。新年度につきましても、同様の観点から事務局職員について適正に配置してまいりたいと考えているところでございます。
また、今まで行政教育職員、いわゆる教員を教育委員会に職員として仕事をしているわけでございますが、この選考につきましては、学校現場における勤務状況や業務の遂行状況は当然なんですが、学校現場以外でも教科指導や生徒指導、そういうところで研修講師としてもリーダー的存在を発揮しているとか、そういうような実績も踏まえまして、全市的な視野に立って教育行政を担うことができる情熱と使命感のある人材、これを登用してまいったところでございますが、これまで以上に、これからそういう点が課題となってきているというふうに認識しております。
91: ◯渡辺博委員 教育長から御答弁いただきました。情熱と使命感をまず持っていただくということ。それで、今までのような選考の仕方では十分でない。もっともっと選考の仕方を考えなければならない。そういう課題意識をお持ちだというふうに御答弁いただきましたので、期待をしたいと思いますけれども、今までのことをもう触れることもないのかもしれませんけれども、人事の都合だけで教育委員会に来ましたみたいな、いずれ帰っていきますからのような、言葉は悪いのですがあえて申し上げますと、腰かけ的な行政教員では非常に困るわけです。それは、この人が、あの人がという、そういう立場ではありませんけれども、絶対ないように払拭していただきたいと思います。
私、例えば文部科学省の官僚、いい、悪い、評価批判は分かれますけれども、やっぱり教育行政は私たちがしっかりやっていくというすごい使命感で取り組んでいる人たちが多いというふうに思います。地方においてもそういう時代になってきているのではないか。身近な例でいえば、宮城県の教育庁は、そういう行政教員が専門化して職務に当たっておられると、そういうふうに聞いておりますけれども、こういう本当に情熱と使命感、そして専門性をさらに深めていく、そして教育行政を一本流れを貫くような、そういう流れをつくっていく柱になっていく、そういう使命感を持った方たちが1人でも2人でもふえていくことが必要だと思いますが、県のことも含めて御認識はいかがでしょうか。
92: ◯教育長 教育を取り巻く環境は本当に変化が激しく、そのニーズも複雑化、多様化しているところでございます。それに対応した職員のスキルアップはもちろんなんですが、そのメンタルな面からも含めて、人材育成、これが急務と考えております。今まで以上に、教員と事務職の共同作業といいますか、教育委員会はどちらの人間もいないと回りません。そういう点では、学校現場の教員の中でも、やはり非常に使命感の高い人間で、そして能力も非常にぬきんでる、そういう職員を十分育てていって、さらにそれを委員おっしゃるように教育委員会で骨を埋めるような覚悟の職員もさせていくことが、今後必要になってくるかと存じます。
また、私ども、いわゆる事務職ではございますが、事務職であっても、教育という仕事柄、なかなか時間のかかる業務範囲が広うございまして、そこを十分熟知、育てていく必要を痛感しております。まして、今、いろいろなテーマが多岐にわたっておりますので、腰を落ちつけてそういう課題に十分対応できる人材を育てていきたいと思っているところでございます。
93: ◯渡辺博委員 教育長の覚悟が私には伝わってきましたので、ぜひお願いしたいと思うんですけれども、またしつこく聞くことになるんですけれども、仙台市の教育長の歴史を見ますと、行政、行政、行政、文部科学省、教員、行政、総務省、教員、行政、行政、大越教育長。大越教育長の場合は、長く教育委員会で実務を経験されて積み上げてこられたという、そういう意味ではエキスパートに私は思っておりますけれども、こんなふうに行政職が多いんですよ。やっぱり行政教員に活躍していただきたいという、行政と行政教員との連携が大事だというのは教育長のおっしゃるとおりでございます。その中でどこが中心になっていくか。行政教員にも頑張っていただきたいというふうに思いますけれども、本市の場合は行政職が教育長をずっと続けてきたということがあります。
今、御答弁をいただきましたけれども、そういうお考えのもとに、平成29年には県費、権限移譲が仙台市に行われます。とてもいい機会だと思いますけれども、目安ですね、急にということもなかなか難しいと思いますけれども、順次やっていきますという御答弁で満足すればいいのかもしれませんけれども、しかし、子供の成長は待っておれません。時代は激しく動いております。どんなふうな感覚で、今、御答弁いただきましたような骨を埋めるような職員を立てていこうと思っておられるのか、今現在のお考えをお聞かせください。
94: ◯教育長 平成29年度には県費負担教職員の移譲というのが控えております。これは非常に時代の変わり目になるタイミングでございます。オール市費になります。県費と市費が今までは混在しておりましたが、今度は全て市費の職員となるところでございます。そうすることにより、いろいろなものが改善される点もございます。そういう中で、人事施策、これも事務局職員としてずっとそこにいて退職するというケースも今後出てくるかと存じます。それはやはり、そのポジション、ポジションによって事情がございますので、一つ一つ個別の人事として検討していく必要があろうかと思います。ただ、そこに行きますまでには、やはり教員が行政を行うということの訓練、それを十分していかなければなりません。現在も学校現場と行政のほうの経験を両方兼ね備えている人材をそろえているところでございますが、これまで以上に今後それを意識化して、自分のキャリアアップの結果として必ずしも学校長で終わることだけではないという、そういう意味では選択肢として複数今後出てくるということも意識していく必要があろうかと思いますし、また、事務職員も教育委員会の今後こういう改変の中で、教育委員会の事務局を担うという人材をやはり若い人からどんどん育てていく必要があろうかと思います。そういうところで、平成29年4月を一つの転機として、さらに今後、事務局職員の資質の向上に努めてまいりたいと存じます。
95: ◯渡辺博委員 市長にお尋ねいたします。教育委員会に関する予算は市長が作成する、そして、我々議会に提案される、審議されるという形になっております。こちらの教育委員会の事務にかかわる部分については、教育委員会の意見を市長は聞かなければならないということになっています。予算については大きな権限をお持ちです。それから、もう一つは人事ですね、議会に諮る教育委員の人事は、市長が提案されるということになっています。総合教育会議ができまして、さらに市長の役割は大きくなってきていると思いますけれども、今、教育長に伺いました。大変な決意をされてお取り組みになるということが伝わってまいりましたけれども、そもそもの最高責任者である市長のお考えはいかがでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
96: ◯市長 教育委員会行政の仕組みの大きな変革期に当たるこの時期におきまして、やはり学校現場に求められるさまざまな課題、いじめ問題でありますとか、また特別支援教育の充実でありますとか、また、もとより学力の向上というような幅広い観点から、学校の子供たちの環境をどう整えていくか。それには、ただいま教育長からもお話し申し上げましたとおり、やはり学校現場に精通し、その中でなお全体としての制度改革の視野を踏まえてどのように取り組んでいくかという、人材と組織の両面からの取り組みが欠かせないものだというふうに考えてございます。
私も、予算を総括し、また教育委員会人事を御提案する立場の者として、ただいま御指摘いただきました点をしっかりと踏まえて、人選、また予算の措置に当たりたいと、このように考えておりますし、とりわけ平成29年度からの権限移譲、これは長年政令指定都市として要望してきたことが具体に大きく動き出した、まさに政令市全体にとっての大きな課題の実現でありますので、その実際に当たって遺漏のないように、教育委員会ともしっかり連携をとりながら進めてまいりたいと、そのように考えております。
97: ◯渡辺博委員 ぜひお取り組みをお願いしたいと思います。
教育委員の人事が終わった後、教育委員会の人事には、政治というか、市長はなかなか口を出せない、遠慮すべきだ、こういうふうな行政委員会としての独立性を大事にするような傾向が強かった。しかし、それではもう済まないよと。独立性は大事にしながらも、ちゃんとラウンドテーブルでお話ししていきましょう、してくださいというのが改正教育法の目指すところだというふうに私は思っております。
今、御答弁いただきましたので、さらに確認ということになりますけれども、個別の、例えば教科書採択とか、あるいは個別の人事とかについて、もちろん総合教育会議では議題にするべきではないということなんですけれども、しかし、個別でなく一般的なというか、そういう分類的なといいますか、教科書をどうしようかとか、あるいは人事ってどういうふうにしていこうかねという、そういうレベルでの話は総合教育会議の中でできるという、こういうことが文部科学省の地方教育行政専門官石川仙太郎さんという方が平成27年2月、説明しております。御確認されておられることだと思いますけれども、なお、そういう点を押さえながら、やっぱり組織と人事、これは両方相またないと生きてこないと思います。児童生徒の成長は、先ほども申しましたとおり、一瞬もとどまることがありません。私たち大人がどういう環境を提供していくか、これは一瞬も滞りなく対応していかなければならないという、このスピード感、慎重さはもちろんですけれども、スピード感をこの改正地方教育行政法を生かして仙台市で実現していただきたいと、そう思いますが、もう一度市長の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
98: ◯市長 今後の教育行政のあり方につきましては、総合教育会議の場におきまして、昨年取りまとめました教育大綱の取りまとめという形の中でも、さまざまな角度から議論を深めさせていただいたところでございました。新年度におきましても、当然ながら総合教育会議におきまして、さまざまな議題について意見を深めていくわけでございますが、その中では、お話しの今後の教育行政がより子供たちにとって望ましいものになるようにという視点から、話題を選びながら、また個別に議論をしていきたいと、そのように考えております。
99: ◯やしろ美香委員 委員長、質問によっては他局に伺うことも出てくるかもしれませんので、その際には御配慮をよろしくお願いいたします。
それでは、私から、教育費、確かな学力育成事業費16億7000万円余についてお伺いしたいと思います。
本市が目指す教育の姿と施策の方向性を示すために策定された仙台市教育振興基本計画というものがございますが、これは来年度が5年の最終年度に当たります。ただいま質疑されている来年度の予算も、これから策定する次期計画というものを視野に組まれているものと思いますけれども、この振興基本計画に掲げられている基本的方針、学びのまち・仙台を支える基盤の充実から学びの環境の充実に関連して、確かな学力育成のための環境整備、特に学校の情報化についてお伺いしたいと思います。
まず初めに、校務支援システムの導入についてお伺いをいたします。教員の多忙化を解消し、児童生徒とじっくりと向かい合える時間を確保することは、学習面だけでなく、いじめの防止などにもつながるものと思います。支援システム導入による校務の効率化というものは大変大きな効果が期待できるものでありますが、この事業計画では平成26年度に調査、平成27年度、本年が基本計画から調達、そして来年度が構築、導入となっております。この来年度の構築、導入の事業内容についてお聞かせください。
100:
◯教育指導課長 平成28年度の校務支援システムの段階的な導入についてでございます。まず、スケジュール管理や文書送受信などのグループウエア機能を本年8月から全校に導入いたします。児童生徒の名簿管理や成績処理などといった校務支援機能につきましては、平成28年度中にモデル校20校程度において試行を開始してまいります。
101: ◯やしろ美香委員 ただいま段階的導入ということで、名簿管理はモデル校20校で行われるということなんですが、最終的にこの校務支援システムの導入が完了するのはいつごろになるのでしょうか。今後の御予定をお願いいたします。
102:
◯教育指導課長 校務支援機能につきましては、平成28年度からのモデル校での試行を経まして、平成30年度より、全ての小中学校において本格的に運用してまいる予定でございます。
103: ◯やしろ美香委員 平成30年度ということですから、丸々2年、モデル校で検証なさってということだと思います。この支援システムは導入すれば終わりではなくて、やはり現場の先生方が使いやすいとか、それから、時間の流れによってまた求められているものも違ってくるかもしれませんので、そこのところは、このモデル校の2年間をお使いになられて、さらにいいものになるようにお取り組みいただきたいと思います。
次に、本市における情報教育の環境整備についてお伺いいたします。来年度予定されている本市小中学校のICT環境整備の内容について、通常の機器の更新のほか、新たに導入されるもの、また拡充されるものというものはございますでしょうか、お伺いします。
104:
◯教育指導課長 平成28年度における小中学校のICT環境整備において、小中学校各1校のモデル校にタブレット端末を導入し、最適なタブレット端末導入のあり方の検証を予定しております。
105: ◯やしろ美香委員 ただいまお答えいただきましたタブレット端末の導入検討について、もう少し伺わせていただきます。この事業は国のモデル事業としては平成23年度から始まっておりますので、丸々5年間ぐらい、もう始まっております。この5年という時間を考えますと、情報通信技術の進化のスピードから考えると、お取り組みの開始がかなり遅いのかなというのが実感ではございますが、本事業の実施規模、ただいま小中1校ずつというふうなお答えだったんですが、その具体的な内容、端末を何台導入なさるとか、どういう端末を入れられる、また、その2校をどのような方法で選ばれるのか、その辺のことをもう少し具体的にお聞かせください。
106:
◯教育指導課長 小中学校のモデル校につきましては、平成28年度の校内LAN更新校のうち、標準的な規模の学校をそれぞれ1校選び、41台のタブレット端末を、コンピューター室のノートパソコンから置きかえる形で導入いたします。それとあわせて、全ての普通教室で活用できるように無線LAN環境も整備してまいります。
整備するタブレット端末の形状といたしましては、今後も児童生徒がキーボード入力などの基本的な操作を学ぶことも重要であると考え、キーボード脱着式で、本体とキーボードを分離することでタブレット端末としても活用できるものを予定しております。
107: ◯やしろ美香委員 ただいま、端末はキーボード入力もできる脱着型のタイプのタブレットというふうなお答えだったんですが、この2校で導入される端末形式というのは、全く同じものなのでしょうか。
それから、導入検証について、検証項目というのがあると思うんですが、この小学校、中学校では全く同じ項目を検証するのか、その検証内容についてお聞かせください。
108:
◯教育指導課長 小学校1校、中学校1校のモデル校に同じ形式の端末を配置いたします。
モデル校におきましては、小中学校それぞれ、校種の違いによる活用状況、活用方法などを検証してまいります。
109: ◯やしろ美香委員 ただいまのお答えでは、小中1校ずつでそれぞれに同じ形式のタブレットを入れて、中学校と小学校でそれぞれに検証していくということなんですが、この1校当たりに係る費用、お話では情報端末、無線LAN、またその他のものがあると思うんですが、これは総額幾らぐらいかかるのかをお聞かせください。今回の事業の場合は置きかえなんですが、それにどのくらい費用がかかるのか。
また、置きかえではなくて新規に追加して導入する場合には、どの程度の金額が予想されるのかもお知らせください。
110:
◯教育指導課長 このたびのタブレット端末の整備に際しましては、タブレット端末及び無線LAN機器のリース料が新たに必要となるため、コンピューター教室のノートパソコンとの置きかえで整備する場合、従来のノートパソコンとの入れかえ経費に加えて、1校当たり年間でおよそ104万円が必要になると試算しております。
また、コンピューター教室のノートパソコンとは別に40台のタブレット端末を整備する場合には、1校当たり年間でおよそ207万円を追加して計上する必要がございます。
111: ◯やしろ美香委員 あわせてお伺いしたいんですが、本市では、小学校2校をモデルとして、大学の協力によるタブレットを活用した事業及び学習環境整備の研究事業というものが、たしか昨年の6月から実施されております。これはあくまでも大学の事業ですので、本市としてどのようにかかわられているかということで、もし今後の見通しとかがおわかりになればお答えください。
また、こちらの事業に関しても検証を進めているという御答弁が昨年の決算特別委員会でなされていたと思うんですが、来年度から始まる本市独自の事業と、これらの既に始まっている大学の事業とは、連携並びに協力のような体制がとられるのか、今後どのようになさるのか、その辺のところをお答えいただけますでしょうか。
112:
◯教育指導課長 大学との共同研究は、今年度小学校2校で行っており、次年度も継続して予定しております。平成28年度予算により設置するモデル校2校における取り組みとあわせて、今後の本市におけるICT環境整備のあり方の検討に生かしてまいります。
113: ◯やしろ美香委員 そういうことですと、本市の事業2校と研究事業の2校の合わせて4校でこれから検証が進められるというふうに受けとめてよろしいのかと思いますが、本市で小中合わせて百八十数校になりますよね。いろいろなタイプの学校もありますし、大規模であったり、いろいろ状況も違う中で、たった4校の検証では導入までにかなりの時間を要するのではないかというのは予想されることなんですが、これはもう既に平成23年から全国で取り組まれている事業なので、他都市の導入事例を積極的に検証することによって、この導入期間を短縮することが、早期の導入というものが可能になるのではないかと思うんですが、この他都市の導入事例に関する検証というものはどのようにお考えでしょうか。
114:
◯教育指導課長 タブレット端末の導入を進めている自治体の事例の検証につきましては必要性を認識しておりまして、情報収集に努めてまいったところでございます。しかしながら、地域ごとに異なる課題もありますことから、平成28年度のモデル校において、本市の学校での検証に努めてまいりたいと存じます。
115: ◯やしろ美香委員 昨年の決特でも触れさせていただいているんですけれども、国は、第2期教育振興基本計画で目標とされている水準を達成するために、必要な所要額を計上した教育のIT化に向けた環境整備4カ年計画、これは平成26年から平成29年度までなんですけれども、これに基づき、単年度約1678億円の財政措置がとられております。お伺いしたいんですが、本市におけるこの財政措置額というのは幾らぐらいになっているのでしょうか。
116: ◯学校教育部長 文部科学省が目標としております学校におけるICT環境整備の不足分を補うために、地方交付税による地方財政措置がなされておるところでございます。本市に対しましては、平成27年度はおよそ13億円が基準財政需要額に算入されているところでございます。
117: ◯やしろ美香委員 この国の第2期教育振興基本計画で目標とされている水準、これはただいまお話をいろいろ伺っている移動式端末のほかにも、さまざま求められているものがあるんですが、本市において既に達成しているものはあるでしょうか。また、未達成のものについては、この財政措置は平成29年度までとなっているので、積極的に活用して早期の導入を目指すべきものと考えていますが、この辺はどうでしょう。本市において達成しているもの、していないもの、その点をお知らせください。
118: ◯学校教育部長 国の第2期教育振興基本計画で目標とされておりますICT環境整備の水準のうち、本市において達成しているものについてでございますが、まず、コンピューター教室への40台のコンピューターの配備、超高速インターネット接続、教員1人1台の校務用コンピューターの配備につきましては、目標水準に達しているところでございます。未達成のものといたしましては、可動式コンピューター40台の追加配備のほかに、1学級当たり1台の電子黒板、実物投影機の配備、また、無線LANの整備等がございます。本市の学校におけるICT環境の整備につきましては、国の目標水準を踏まえ、平成28年度からのモデル校の実践や他都市の事例の検証を進めながら、充実に努めてまいりたいと考えているところでございます。
119: ◯やしろ美香委員 ただいまお伺いいたしました、これまでもお伺いしていたお答えの中からは、ソフトの面というんですか、教育の効果については一定の効果を認めているという御答弁もありましたし、いろいろアンケートであったりとか成績であったりとか、そういうところからも学習の効果という面はかなり明確になっておりますし、先生方もその活用等々、かなりなされているようなので、ソフトの面については本市は決して遅くはないと思っておりますが、整備の部分ですね、ハードの部分がやはり今のお答えではちょっと時間がかかっているのかなという気がしております。
それで、次期振興計画というのが今から策定されると思うんですが、その際に、教育のIT化に当たっては専門家の知見も活用すべき、有識者の御意見も伺うということになっておりますので、さらにITの専門家の御意見も伺うことによって、さらに振興計画が充実したものになるのではないかと思いますが、次期計画策定に当たってのITの専門家の活用について御見解をお伺いできますでしょうか。
120: ◯教育長 本市の教育振興基本計画、現計画は平成28年度まででございますので、平成29年度以降の計画に向けて新年度取り組んでまいりたいと考えているところでございます。新年度においては、外部有識者による検討委員会を設置いたしまして、本市の教育課題や取り組みの方向性など、種々御議論をいただくことを想定しております。
昨今の急速な情報化の進展を考えますと、今、御議論のございましたICTを活用した教育、これは本市にとっても重要な課題でありますことから、この点を次期計画にも適切に反映できるよう、検討委員会の委員にICT教育の専門家を選任する方向で検討しているところでございます。
121: ◯やしろ美香委員 最後につけ加えさせていただきたいんですが、国の基本計画では、このタブレット端末は、本来置きかえではなくて、コンピューター室の40台に加えて移動端末の40台となっておりますので、本市の来年度のタブレット導入は新規事業ということにはなっておりますが、国の計画から見ると、決してこれは新規事業ではないんですね。ですから、国の目指す水準というものには達しないわけです。
昨年発表された学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果を見ても、本市は、パソコン1台当たりの児童生徒数が全国と比べてもかなりおくれています。特に児童数の多い大規模校では、パソコン1台、最大33.5人です。国の目標値は3.6人でありますので、約9倍の子供たちでパソコン1台を使っているわけですね。大規模校は教室も足りないですので、パソコン教室を増設するというのは大変難しい状況にありますから、この移動端末を追加することによって、このような学習環境の格差ということも解消することが可能になります。
国では、今、この情報化というものを大変重要な問題にしております。それは、教育というのは、その時代によって求められるものが違ってきて、例えば近代化を目指す明治時代とか、高度経済成長とか工業化を目指す昭和の時代は、基礎的な学力というのが求められましたけれども、平成の今は10年後、20年後がわからない状況です。今ある仕事の半分が20年後には消えてしまうかもしれないという中で、子供たちを育てるときに、その目標というものが見えない。この時代にどういう子供を育てるかといったら、どんな状況にあってもたくましく生きる力、先ほども生き抜く、乗り越えるというお答えがありましたけれども、そのためにも情報教育というのが必要と言われているんですね。これは単に国語、算数、理科、社会という科目の一つとして情報が加わるのではなくて、その一つ一つの科目の基礎を支えるための学力の情報であって、また、この環境整備というのは教育の基盤になるわけですよ。やはりそこのところは、この教育が変わろうとしているときに、今、大人たちはそこのところをもっと真剣に受けとめなければいけないと思っております。
それで、今度はこちらにお伺いしたいんですが、先ほど財政措置額13億円という金額を伺いました。これは一般財源だということを重々承知でお伺いするのですが、小学校18クラスをモデルとした場合、国では1校当たり564万円、中学校15学級を基礎として1校当たり563万円ということで、この13億円を試算しております。それで、今、説明しましたように、本市は本来このICT教育の足りないものを補うためのこの予算というものは使っていないわけです。市長も施政方針の中で人材や知的資源の豊富さというのは本市の強みであるとおっしゃっておりますが、このような教育格差の中で子供たちが育っていくということは、この知的資源というものも乏しくなる可能性があります。失われることもあるかもしれません。本市は学都仙台と言っていますが、学校があるだけの都市になるかもしれません。ここのところ、市長は長く教育の分野にもいらっしゃったと思いますので、子供たちの情報教育の急務ですね、ここについて市長の御見解をお伺いしたいと思います。
122: ◯市長 子供たちにとりまして、情報化に対応する能力を身につけるということは極めて重要なことだというふうに考えてございます。そのことの具体の進め方等につきましては、ただいま教育委員会のほうからお答えを申し上げたところでございます。
この間、震災復興でありますとか、さまざまな課題の中で、仙台市の学校教育におけるICT化が必ずしも全国的に見て高いレベルではないということにつきましては、るる御指摘もいただきつつ、その現状についての課題というのは私も認識しているところでございます。なかなか予算的な面もありますので、ここですぐ全力でというふうにはお答えできない部分もございますが、なお、限られた予算の中でも十分活用できる方策について、教育委員会でも知恵を絞るということでありますので、私としても心がけてまいりたいと、そのように考えるものでございます。
123: ◯やしろ美香委員 平成32年には大学入試制度も変わります。いろいろと教育も変わっていますので、平成32年度といいますと、今の中学2年生がもう既にそこに当たります。残念ながら中学校で1校だけしかこのタブレットを扱った教育を受けないまま卒業してしまいますので、なるべく早く導入を検討していただいて、中学校から優先的に入れるとか、いろいろそういう方法もあると思いますので、これから工夫のほうを継続していただくことを希望いたしまして、質問を終わります。
124: ◯委員長 この際、暫時休憩いたします。
休憩 午後3時10分
再開 午後3時30分
125: ◯委員長 再開いたします。
市民フォーラム仙台から発言予定の方は、質疑席にお着き願います。
〔渡辺敬信委員、岡本あき子委員、佐藤わか子委員、質疑席に着席〕
126: ◯委員長 発言を願います。
127: ◯渡辺敬信委員 私からは、教育費中、学校管理費及び教育振興費に関連してお伺いをいたします。
まず、学校配当予算についてなんですけれども、震災前の平成22年度から直近の数字を見てみますと14億円から15億円で推移していますが、この間の御当局の評価についてお伺いいたします。
128: ◯学事課長 学校配当予算は、その多くが学習環境の維持や日々の教育活動に必要となる経常的な経費でございまして、必要な予算をきちんと確保することが重要でございます。震災以降、財政制約の高まりや電気料金の値上げなどがありました状況下におきましても、一定の予算を確保してまいりました。特に今年度は暑さ対策のための扇風機や専門的かつ高度な教材備品の整備予算を確保いたしまして、昨年度と比較し実質5000万円の予算増となっており、必要な予算は確保してきたものと考えてございます。
129: ◯渡辺敬信委員 学校管理費では、学校管理用消耗品や備品の購入費、役務費等に予算が執行されております。また、教育振興費は、教材教具や学校図書、教員用教科書、指導書の購入費等に執行されているとのことであります。この学校配当予算については、学校の規模や児童生徒数及び学級数によって配当金額が異なってきます。学校側でも決められた予算の中で毎年学校運営をしているわけです。
私が学校関係者からお伺いしているのは、学校管理費と教育振興費は目的が違う予算であるために、流用ができないので、毎年やりくりに苦慮されているとのことであります。例えば、児童生徒たちが使用する机や椅子が破損し、新しく購入しなければならないこともあれば、先生が授業で使用する教具が一気に必要となるときもあると思います。確認ですけれども、机や椅子を購入する場合は学校管理費で、先生が授業で使用する教具については教育振興費から購入するということでよろしいでしょうか。
130: ◯学事課長 机や椅子、ロッカーなど学校管理上必要となる物品に関しましては学校管理費で、授業や学校行事で使用する教材は教育振興費で購入しております。
131: ◯渡辺敬信委員 それを踏まえてちょっとお聞きするんですけれども、児童生徒が使用する机や椅子が年度途中で破損し、どうしてもそれが必要となってきた場合に、学校としてはどのような対応になるのでしょうか。学校によっては、教育振興費が残っている場合というのがあります。そこから机や椅子は購入できないということでよろしいですか。
132: ◯学事課長 教育振興費の残額でほかの予算科目で執行すべき物品を購入することは、適正な予算管理を行う観点から難しいものと考えてございます。これは、教育予算に限らず、
一般会計予算全体に共通するものでございまして、そのため、それぞれの予算科目で必要が生じた場合には、学校から個別具体に状況を伺った上で、予算科目内の財源を確保し、必要な対応を行っているところでございます。
262: ◯特別支援教育課長 指導支援員、指導補助員の配置につきましては、学校からの申請に対して教育委員会が学校訪問を行い、状況を確認した上で、必要と考えられる場合に配置をしております。課題としましては、年度途中に新規配置が必要になった際に、その時期などによってはすぐに必要な人員の確保が難しい場合があるという点が挙げられます。
263: ◯佐藤和子委員 ほぼ対応できているということでございますけれども、保護者からは、人員を拡充してほしいというお声が寄せられております。引き続ききめ細かな対応をお願いしたいと思います。
通常学級に配置する指導補助員の必要性については、今、御答弁がありましたとおり、現場の担任や校長など学校で判断して教育委員会に申請しておりますけれども、保護者の要望も含めて総合的に検討していただいているとは思うんですが、なお一層、丁寧に保護者の意向も酌み取っていただきたいと思いますが、御所見をお伺いいたします。
264: ◯特別支援教育課長 指導補助員の配置につきましては、児童生徒の適応状況、学校の支援体制などを踏まえて、学校が申請する仕組みとしています。まずは、子供の状態を学校がしっかりと理解し、保護者とよく相談した上で申請することが肝要と考えます。また、保護者の不安をしっかりと受けとめるとともに、指導補助員の配置も含めて、支援の内容や方法、校内の支援体制などを丁寧に説明し、御理解を得られるよう図ってまいりたいと存じます。
265: ◯佐藤和子委員 次に、発達障害の早期発見に有効な5歳児健診についてであります。2012年の文部科学省の調査によると、公立小中学校の通常学級に通う児童生徒の6.5%に発達障害の可能性があるということであります。発達障害は生まれつきの脳機能の障害が原因とされ、外見では判断が難しいと言われております。3歳児健診で気づく場合もありますが、発達障害の発見のための手がかりとなる多動性や旺盛な好奇心は3歳児以降によく見られるということであります。早期の気づきから支援へと結びつけていくことが重要であると考えます。早期発見に力を入れていくことは、学校現場としても適切な対応ができるのではないでしょうか。
本市の発達障害の支援については、発達相談支援センター、アーチルを中心に先進的に取り組んでおりますけれども、幼少期における早期発見につながる5歳児健診の導入を求めますが、御所見をお伺いいたします。
266: ◯子育て支援課長 母子保健法におきましては、幼児健康診査の対象として満1歳6カ月を超え満2歳に達しない幼児、及び満3歳を超え満4歳に達しない幼児と規定されております。本市でも、これに基づきまして、各区役所及び総合支所で1歳6カ月児健診並びに3歳児健診を実施しているところでございます。
5歳児に対する健診につきましては、政令市で実施している都市は20市中2市となってございます。うち1市につきましては希望者のみを対象とするなど、取り組みの内容にも差が見られる状況にございます。
本市におきましては、現在も各区役所等で幼児健康診査等を通じて発達障害の早期把握に努めておりますほか、日常的な相談支援業務の中で、随時、発達相談支援センターとの連携を図っているところでございますが、なお、他都市の取り組みの状況等につきましても、引き続き情報収集をしてまいりたいと思います。
267: ◯佐藤和子委員 今後も引き続き検討していただきたいと思います。
次に、新年度の新規事業で特別支援学校等へタブレット端末を導入するとあります。事業の概要をお伺いいたします。
268: ◯特別支援教育課長 まず、鶴谷特別支援学校ですが、タブレット端末5台を導入し、障害の重い児童生徒のコミュニケーションの支援ツールとして活用いたします。また、来年度小中学校に増設予定のLD等通級指導教室5校に10台を配備し、学習面や学校生活面での支援に活用する予定としております。そのほか、特別支援学級での指導において、タブレット端末を利用することが有効と考えられる場合に、試行的に学習支援ツールとしてタブレット端末の活用を図ってまいりたいと考えております。
269: ◯佐藤和子委員 次に、発達障害などで読みが困難な児童生徒向けの電子教科書についてであります。平成25年の決算等審査特別委員会で、導入、それから普及啓発、学校関係者の研修を求めたところでございます。デイジー教科書とは、通常の教科書の内容がCDに入力されているものであります。パソコンやiPadで再生すると文章が音声で再生され、一人一人の状況に合わせて学習ができるものであります。このデイジー教科書を入手するには、製作した団体に学校や保護者が直接申請し、そして費用は、CDの郵送の場合は2,000円、パソコン等でダウンロードする場合は無料となっております。その後のこの進捗状況をお伺いしたいと思います。
270: ◯特別支援教育課長 平成25年9月におけるデイジー教科書の使用登録者数は3名でしたが、平成27年12月1日現在、本市の児童生徒のうち、小学生3名、中学生5名、計8名がデイジー教科書の使用登録をしております。そのうち4名は小中学校のLD等通級指導教室で指導を受けており、個別指導の場においてデイジー教科書を活用しているほか、家庭で使用している例もございます。
271: ◯佐藤和子委員 今、平成25年で3名で、平成27年で8名ということで、5名増加ですけれども、まだまだ周知がされていないという現状でございます。これは、家庭学習にも活用できる、パソコンをお持ちの御家庭がふえてきておりますので、どうか学校関係者への周知を強化していただきたいと思います。また、アーチルへの情報提供も必要ではないかと思います。これまでの周知状況と今後の取り組みをお伺いしたいと思います。
272: ◯特別支援教育課長 文字を読むことに困難がある発達障害の子供にとりましては、デイジー教科書の文字の読み上げ機能は、聴覚からも情報を得ることができることから、学習を進める上で大変有効であると認識しております。
本市では、平成25年度に宮城教育大学が文部科学省から委託を受けました事業に協力し、LD等通級指導教室においてICTを活用する実践研究に取り組みました。その中でタブレット端末の読み上げ機能を使った実践もなされ、その効果が実証されております。それらの実践は、発達障害のある子供たちのICT活用ハンドブックにまとめられ、関係する学校に配布し、その成果を周知したところでございます。
今後は、デイジー教科書も含め、デジタル教材の有効性や使い方について、学校や保護者、アーチル等関係機関に情報提供してまいりたいと考えております。
273: ◯佐藤和子委員 ぜひしっかり周知に取り組んでいただきたいと思います。視覚に障害を持った児童生徒には、点字や拡大教科書等があります。デイジー教科書は、読みが困難な発達障害の児童生徒の学習支援であります。御当局はこのデイジー教科書の有効性を認識しておりますが、まだまだ現場には広がっていない現状でございます。大きく推進するためには、まず、どれだけの児童生徒が必要か、調査することが必要ではないでしょうか。本市が毎年独自で実施している発達障害の児童生徒の調査項目に加えていただいて、進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。また、この調査結果を踏まえて、モデルケースを設け、試験的に導入してはと考えます。御所見をお伺いいたします。
274: ◯特別支援教育課長 本市で実施しております発達障害の子供に関する調査では、学習への参加状況や対人関係に関する調査項目がございますが、学習障害の子供の読みや書きなどについての調査項目はございません。この調査にそれらの項目を追加することにつきまして、平成28年度実施に向けて今後検討してまいりたいと存じます。
モデルケースにつきましては、本年2月、読み書きに困難のある発達障害の小学生1名に本市教育委員会からタブレット端末を貸与し、デイジー教科書の活用に継続的に取り組んでもらい、その成果を検証することにしております。
275: ◯佐藤和子委員 最後に、教育長にお伺いしたいと思います。本市は特別支援教育に先進的に取り組んでこられ、現場の先生方の日々の御奮闘に敬意を表するものであります。不登校や発達障害の子供を抱える保護者は、現実を受けとめながらも、月日がたつほど深刻になり、将来の不安を感じながら、日々、必死に子供に向き合っております。御家庭の御事情がさまざまな中、その苦悩ははかり知れません。一人一人を大事に、一歩でも二歩でも前進できるよう、さらに力を入れて取り組まなければならないと思います。本市の取り組みに期待するものでございます。今後の不登校対策と可能性を広げる学習支援について、御所見をお伺いいたします。
276: ◯教育長 まず、特別支援教育につきましては、早い時期から重点施策の一つとして位置づけ、ほかに先駆けて行いました看護師配置とか、補助員や支援員の拡充など、障害のある児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じた取り組みが今後も必要と考えているところでございます。
また、不登校対策もいろいろ御議論ございましたが、約1,000人という、この人数、なかなか数字上は下がっておりませんが、これに関してはやはり初期対策、そしてアフターケアの対策、両面が必要でございます。今後も小学校、中学校どちらも対応が必要でございますので、杜のひろばや児遊の杜の活用をさらに進めながら、少しでも配慮や支援の必要な子供たちの可能性を広げる学習支援に、しっかりと取り組んでまいりたいと存じます。
277: ◯佐々木真由美委員 私からは、特別支援教育介助員配置事業について伺います。
初めに、新年度の事業内容についてお示しください。
278: ◯特別支援教育課長 この事業は、肢体不自由があるものの、通常の学級での学習や生活が可能な児童生徒のうち、日常生活上の介助が必要と認められる場合に、介助員を配置するものです。車椅子での移動や着がえ、排せつなどの介助を行うとともに、対象児が支障なく学習に取り組めるよう学級担任等の指導を補助することを目的としております。
279: ◯佐々木真由美委員 新年度、この特別支援教育介助員導入に至った経緯をお教え願います。
280: ◯特別支援教育課長 本市では、これまで、通常の学級における発達障害の児童生徒に対しましては指導補助員という事業がございましたが、肢体不自由の児童生徒に対する人的支援策はございませんでした。そのため、主に学級担任が可能な範囲で支援をしたり、学級の友達にサポートを受けたり、校外学習のときなどは保護者に協力をお願いすることもありました。こうした課題に対応するため、介助員の事業を導入するものでございます。
281: ◯佐々木真由美委員 児童生徒の状況に応じて補助をすることができるのが特別支援教育補助員、そして特別支援教育支援員と思われますが、今回、特別支援教育介助員を配置いたしました。おのおのの役割担当を明確にした支援が必要と考えておりますけれども、この補助員、支援員、介助員の役割をお示しください。
282: ◯特別支援教育課長 補助員は、通常の学級において、発達障害があり特別な支援が必要な児童生徒を配置対象としております。また、支援員は、在籍児童生徒数が多く、指導が困難な特別支援学級に配置するものです。新規事業であります介助員は、通常の学級に在籍し、日常生活上の介助が必要な肢体不自由の児童生徒を対象としております。
補助員、支援員、介助員、それぞれ対象は違っておりますが、いずれも児童生徒の学習や学校生活を支援するとともに、指導教員の補助をすることがその役割となっております。
283: ◯佐々木真由美委員 この特別支援教育介助員は、肢体不自由の子供さんたちの移動、トイレの介助、また学校の中での生活面や安全面、学習支援等の身辺介助ということが主な職務内容ということですけれども、この配置される介助員の応募はどのようになっておりますでしょうか。あわせて、契約期間、雇用形態もお示しください。
284: ◯特別支援教育課長 介助員の応募要件でございますが、児童生徒の教育または介護福祉等に携わった経験のある方などとしております。契約期間は、雇用日より、その年度末までとなります。雇用形態は、週30時間勤務する非常勤嘱託職員として教育委員会が採用いたします。
285: ◯佐々木真由美委員 一つ確認させていただきたいんですけれども、教員免許がなくても経験者であれば応募はできるということでよろしかったでしょうか。
286: ◯特別支援教育課長 教員の免許状を持っていなくても、今申し上げたような経験があるということであれば応募可能ということになります。
287: ◯佐々木真由美委員 これは学校の申し出によって配置されますけれども、応募要件を満たす人が足りなかった場合の対応、また補充はどのようにされるのかお伺いいたします。
288: ◯特別支援教育課長 介助員の採用に当たりましては、補助員や支援員と同様に、安定した雇用ができるよう、ハローワークや市の広報を通じて広く募集し、安定した配置が図れるよう努めてまいりたいと考えております。
289: ◯佐々木真由美委員 この介助員の契約期間、1年で更新という形になります。1年間、児童生徒といろいろな介助をし、また携わった児童生徒とのコミュニケーションがとれる中で更新、更新後、同じ学校に配置され同じ児童生徒の介助員となるのか、また別のところの学校に配置されるのか、どういう規則の中で決定されるのかお伺いいたします。
290: ◯特別支援教育課長 介助員の配置校の更新につきましては1年ごととなりますが、同じ学校での勤務継続も可能でございます。介助員本人の希望もございますし、校長の意見なども踏まえて、教育委員会が総合的に判断いたします。
291: ◯佐々木真由美委員 せっかくコミュニケーションがとれた児童生徒とのつながりが切れることのないように要望させていただきます。
この介助員が児童生徒の対応等でいろいろなことで悩んだり課題が見つかったときの相談できる場所、窓口など、受けとめられる体制づくりが必要と考えますが、お伺いいたします。
292: ◯特別支援教育課長 介助員の相談につきましては、勤務校において、管理職や特別支援教育コーディネーター、学級担任が中心に行います。教育委員会におきましても、担当課において対応する予定でございます。平成28年度から実施する事業でありますことから、介助員や学級担任を対象とした研修も実施し、学級担任と介助員が連携を図り、効果的な支援が行われるようにしていきたいと考えております。
293: ◯佐々木真由美委員 この介助員の配置は、これからますます必要となってきます。コミュニケーションがとれた児童生徒とのつながりなど、肢体不自由の児童生徒の中で教育にかかわる介助員は大きな役割を担ってまいります。支え、支えられる関係性ができ、児童生徒の理解促進に大きく影響することに十分留意して、学校や学校内における温かい人間関係づくりに努めることが求められます。また、児童生徒のための個別支援計画を高める取り組みを進めるためにも、研修の充実を図ったり、また、しっかりと現場の声を聞いて、風通しのよい環境づくりになれるよう要望し、私の質問を終わります。
294: ◯委員長 お諮りいたします。本日の審査はこの程度にとどめ、残余はあす行いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
295: ◯委員長 御異議なしと認めます。
なお、あすは午後1時より開会いたします。
本日は、これをもって散会いたします。...